【薬剤師転職】都会 or 地方で働くってどうなの?地方のメリット&デメリット解明①
「薬剤師が地方(田舎)で働くと、高年収で稼げる…」ってホント?
「一緒に働いていた薬剤師のAさんが田舎に転職したら、年収がすごくアップしたらしい…」
「都会よりも地方で働くと、高年収になって、もっと貯金ができるらしい…」
薬剤師さんの間でこんな噂があります。ご相談にいらっしゃる薬剤師さんからも「地方で働くってどうなの?本当に高年収なの?」とよく聞かれます。
実際、「地方で働くと高年収で稼げるのか」
2019年/2015年の都道府県別_薬剤師の平均年収ランキング(BEST3・WORST3)を算出しました。参考としたデータは「賃金構造基本統計調査」です。
こちらは、厚生労働省が、主要産業に雇用される常用労働者について、その賃金実態を産業、地域等の別に明らかにする主旨で行う統計調査です。
こちらのランキングですが、上位・下位順位とも一貫性はなく、この都道府県に行けば、高収入または低収入になるとはいえません。
2015年には、九州地方の一大都市_博多を含む福岡県が1位でもあり、地方(田舎)に行けば高収入ともいえません。
そして、「福岡県のデータ」で考えてみると、大都会_博多の薬剤師さんと、都市周辺地域・田舎といえる地域の薬剤師さん、全員の年収が集計され、平均されたものです。
都道府県別統計では、薬剤師さんが知りたい「都会と地方(田舎)の年収実態は捉えきれない」といえます。
そこで、全国薬剤師の求人案件を知る人材コンサルタントがその理由をお伝えするのが一番良いといえます。
薬スタ人材コンサルタントの視点から/地方(田舎)が高年収となる理由について
実際のところ、地方(田舎)に高年収案件が多いのは事実です。
理由は3つあります。
理由① 地方(田舎)の雇用主は、薬剤師さんへの報酬に充てる原資を多く持っているから
ご承知のとおり、診療報酬は全国一律、薬剤師一人当たりの処方せん枚数も決まっています。
そのため、処方内容・処方せん枚数が同一であれば、都会も地方も収入は同額となります。
けれども、地方では地代家賃・事務経費といったコストが抑えられます。よって、地方(田舎)の雇用主は、都会の雇用主より薬剤師さんへの報酬に充てる原資を多く持っているといえます。
理由② 地方(田舎)は、薬剤師の人数がまだ少ないから
モノやサービスの価格は、需要と供給のバランス(需給バランス)で決まるのが世の摂理です。
例えば、ダイヤモンドの価格が高価なのは、欲しい人は大変多く需要は多いのに、数は希少であり供給は少ないからです(需要>供給)。そして、薬剤師さんの年収相場も同じです。
地方に、薬剤師さんの人数はまだ少ない。これは、地方(田舎)では、薬科大学への進学者数が限られるのも原因でもあります。よって、地方(田舎)に薬剤師が必要にも関わらず(需要多)、薬剤師が少ない(供給少)ため、地方(田舎)の薬剤師さんの給与が高くなります。
理由③ 地方に、高年収の派遣案件が多いから
「超僻地・超不便」といった、一般的に不利な条件がある地方(田舎)に、高年収の派遣案件が多く存在するというのが実情です。
薬剤師側としては、
「条件に障壁あり(超僻地・超不便等)→決断つかない→応募者とても少ない(供給極少)」
雇用主側としては、
「どうしても来てもらいたい事情(人手不足・地域に求められている等)がある(需要多)→
しかし、応募者が集まらない(供給少)→「高年収かつ高待遇かつ派遣案件」で募集する」
雇用主は「まずは、派遣といった短期間でも構わないから、どうしても・何としても薬剤師さんに来てもらいたい」と募集をかける事情があるのです。
都会よりも、こういった事情のある「高年収(&高待遇)の派遣案件」が地方に多いのです。
これらの3つの理由から、「地方(田舎)に高年収案件(派遣含む)が多い」といえます。
「地方(田舎)で働くことは、自分にとって魅力はあるのか」
しかし、結局のところ、薬剤師さんの関心は
「地方(田舎)にいる薬剤師さんは本当に満足しているのか?自分が行ったらどうなのか?」
を知りたいという事かと思います。
実際、地方(田舎)に行った薬剤師さんは、「高年収&高待遇案件」だけではなく、地方(田舎)には都会で働いていては味わえない魅力があるともおっしゃっています。
次回は、都会 or 地方で働くってどうなの?地方(田舎)のメリット&デメリットを踏まえて、お伝えします。