【全薬剤師に捧げる】上手に辞められる退職理由の伝え方②【実践編】
さて、望みにかなった転職先も決まり、いよいよ現職場で退職意志を表明しなければならない時、あなたは退職理由を必ず聞かれます。
前回お伝えした3つの心構え「①円満退職を心がけましょう」「②退職理由をありのまま伝えない」「③退職理由を伝えるときは、本心を変えずに表現を変える」をくれぐれも忘れないで下さい。
そして、対する相手全員に「自分を応援してもらう」「自分の味方になってもらう」ことを主眼として、退職理由を伝えましょう。
全ては上手に辞めるために!「現職場で退職意志を表明する時」
現職場において、退職理由の伝えるタイミング、順番、すべき事を誤ってしまうと円満退職はできません。現職場をスッキリ気持ちよく辞められるよう、ポイントをまとめます。
①いつにすべきか?
2020年4月以降は、改正民法627条1項が適用され、有期雇用以外の薬剤師は「正社員、派遣社員、アルバイト・パートともに、退職の2週間前までに、会社に対して退職することを伝えなければならない」とされます。これは要するに、法律上では「退職の2週間前までに伝えればよい」とされたということです。
しかし、そうであっても、社内規定等で決められている期間(1ヶ月~3ヶ月等)も考慮に入れましょう。なぜなら、会社はあなたの退職に伴い、新たな人員補充や引継ぎ等の手配をする必要があります。やはり円満退職を目指すならば、会社の都合も考えて、望ましい期間を取って伝えるべきといえます。
また、現場の負担を考えれば、もちろん繁忙期は避ける等の配慮した方が良いでしょう。
例えば、小児科に多く関わる薬局の場合はインフルエンザが流行る時期といった冬の繁忙期は避けるのがよいと思われます。
また、できるだけ夏と冬のボーナス後に辞められるよう、1~3ヶ月前に伝えることも考えても良いでしょう。自身が一所懸命働いた報酬ですから、当然受け取りたいものですね。
②誰から伝えるべきか?
最初に、あなたが仕事で実際かかわる、直属の上司に前向きな退職理由を伝えましょう。
同僚に最初に伝えるのはNGです。他人の口から伝わって噂になると、話がこじれてしまう事が大変多いからです。
③どこで伝えるべきか?
職場で直属の上司と二人きりになれる場所を考えましょう。
休憩時間や終業後など、少し時間を作ってもらえるように、上司にお願いしましょう。他の人がいると話がしづらいのはもちろん、周囲に余計な気を使わせてしまいます。
④退職届は必要なし(その後も必要な場合だけ準備しましょう)
最初に上司に退職意志を伝えるときには必要ありません。それはドラマの中だけの話です。上司や総務と話し合い、退職日が決定してから、会社の規定に従って、必要であれば退職届を準備しましょう。
退職理由を伝えた後、フォローは万全に
①引継ぎはバッチリ準備しておく
後任が決まるまでに、引き継ぐべきものをピックアップする等、準備を行いましょう。
引継ぎがつつがなく行われることが確信できれば、上司も同僚も大変安心します。
②会社に返すもの・受け取らなければならないもの
総務・薬局長に確認の上、返し忘れ・受け取り忘れがないように気をつけましょう。
特に返し忘れが問題になりそうなのは、健康保険被保険者証、社員証・IDカードなどの身分証明書、調剤印です。また忘れがちな通勤定期券の精算処理等はどうしたらよいかも確認しましょう。
なお、退職時に受け取るもので忘れてならないのは、薬剤師免許証(会社に預けている場合)です。
新しい会社での勤務薬剤師登録等にも必要になりますので、気をつけましょう。
③退職日の挨拶
立つ鳥後を濁さずともいいます。お世話になった人全員に挨拶は欠かさないようにしましょう。
ご承知のとおり、狭い業界ですし、今後どこで関係が繋がるか分かりません。礼を尽くして去る事を心がけましょう。
ここまでお伝えしましたが、実際に、退職理由をどう伝えたらよいか迷ったり困ったりするときは、転職コンサルタントに相談してみる事もよいかと思います。