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【全薬剤師に捧げる】上手に辞められる退職理由の伝え方①【心構え編】

退職理由の伝え方やタイミング、順番を誤ってしまうとどうなるでしょうか?
転職活動がうまくいって、条件に合う望みどおりの新職場に入社が決まったとしても。
現職場の強引な引き留めで、なかなか辞められない事態に陥ってしまうケースも。
過去にはせっかく決まった転職先を泣く泣くあきらめた方もいらっしゃいました。
けれども、「もう転職しかない!」とやっと決心がついたのに、辞められないなんておかしいですよね。
今まさに転職を考えている方も、ちょっと考えてみようかなと思っている方にも、役に立つ「退職理由の上手な伝え方」をお伝えします。

やはり気になる「薬剤師に多い退職理由とは?」

薬剤師に多い退職理由には、①人間関係/②職場環境/③条件に関する問題/④体調・精神に関する問題/⑤ワークライフバランスに関する問題から生じています。
 
①人間関係
・上司、同僚、患者さん、他部署(医師・看護師等)との人間関係がうまくいかない
・一緒に仕事したくない人(お局さん、上司、同僚など)がいて、もう我慢できない
・仕事の押しつけ合いで、局内の雰囲気がギスギスしている
人員の入れ替えが少ない病院や中小薬局といった狭い職場の薬剤師さんたちからよく聞かれます。大変ご相談を受けることも多い退職理由です。
 
②職場環境(企業風土・キャリアアップ等)
・理想と違う仕事環境(患者さん第一主義ではない等)である
・たとえ仕事効率の上がる提案も受け入れてもらえず、融通が利かない
・正当で客観的な評価が得られない
・無駄な残業が多く、それをよしとする企業風土である
・つきたいポジション、希望する仕事ができない
・仕事のフォロー、教育体制が全くない
教育体制については、特に経験の少ない転職者の方からご相談を受けます。また、経験者であっても、キャリアアップが大変難しい環境といえます。
 
③条件(給料・待遇・福利厚生等)に関する問題
・給料が低い、上がらない
・労力と収入が見合わないと感じる
・長時間労働が続く
・過酷な労働環境で有給休暇が全く取れない
・通勤時間がかかりすぎる
給料・年収は、病院・調剤薬局勤務の薬剤師の方からよく挙がります。長時間労働は、ドラッグストア・病院勤務の薬剤師の方からよく挙がります。ご本人にとって、不満が大きい問題といえます。
 
④体調・精神の問題
・ミスが許されず、プレッシャーが強い
・忙しすぎて、周囲を思いやる余裕がない
・うつ病などの発症
長時間労働が原因で、心身不調になってしまった方もおられます。また、業務上、ヒヤリハットや些細な過誤でも重大事故につながる可能性があるため、強いストレスを感じられる方もいます。
 
⑤ライフスタイルの変化(ワークライフバランス)
・出産や育児、配偶者の転勤といったライフスタイルの変化
・家庭と仕事のバランスが取れない
薬剤師さんは比較的女性が多いため、こういった退職理由も大変多いといえます。
 
以上、様々な退職理由ですが、これらの問題を新職場で解決して、薬剤師をやっぱり続けていきたい方々が大多数といえます。

退職理由の上手な伝え方、まず押さえるべき3つの心構え

①円満退職を心がけましょう

ご承知のとおり、薬剤師の業界は大変狭いといえます。同じ薬剤師会であれば、転職後も前職場の人とも必然的に研修や学会等で顔を合わせることになります。
また、狭い業界であれば、一面的で誤った評判が一旦広まってしまうと、次に勤める会社であなたは困ってしまうでしょう。
色々、現職場に思うところがあっても、今後の事を考え、できうる限り円満退職を心がけましょう。

②退職理由をありのまま伝えるのはNG

あなた自身にとって退職理由の真因を探る事は、今後の仕事人生を明るくするため、また転職活動を迷うことなく進めるためにとても重要です。
しかし、他人に「退職したい」と伝えるとき、あなたの退職理由をありのまま伝えることはお勧めできません。
考えてみて下さい。退職理由を伝えた人にどう対応してほしいですか?
「強引な引き留めは絶対してほしくない」、「辞めるその時まで、嫌がらせ等されて不愉快な思いをさせられたくない」、「局内の雰囲気を悪くして、迷惑を掛けたくない」、さらに言えば、できることなら「笑顔で送り出してほしい」ということではないでしょうか。
例えば、「給料が低い」と上層部にありのまま伝えたとしたら、ただ不満を訴えていると思われて、「もっと高い時給を出す」「他の人よりも良い給料にする」といった強引な引き留めを受けるかもしれません。転職先が決まっている場合、それでは困ってしまいます。
退職理由をありのまま伝えるのはNGと肝に銘じましょう。

③退職理由を伝えるときは、本心を変えずに表現を変える

では、建前や嘘の退職理由を伝えればよいでしょうか?それもお勧めしません。
建前や嘘は気づかれやすく、余計な詮索をされてしまいます。
そこで「嘘ではないが、前向きな理由を述べる」ことをお勧めします。
前向きな退職理由として、「本心は変えずに表現を変えること」を心がけましょう。

職場の人を納得させて、あまつさえ応援したいという気持ちになってもらえればよいのです。
例えば、「教育体制がない」が退職理由だとしても、そのまま言うのではなく、「もっと広い分野の調剤技術を学びたいので、もっと扱う分野の広い薬局へ移ります」と伝えたらどうでしょう。
伝えた人の納得感が得られれば、自然と応援しようという気持ちになるかと思われます。
 
以上3つの心構えをおさえてもらい、次回は上手に辞められる退職理由の伝え方②実践編をお伝えしたいと思います。