ドラッグストア薬剤師の仕事の実際！やりがいと転職するメリット

薬剤師は、病院・調剤薬局・ドラッグストアの3つが主な勤務先ですが、その中でも「ドラッグストアは給料が高い職場が多い」「キャリアプランを描きやすい」ということから転職希望者に人気です。

しかし、実際には「薬剤師の仕事内容」「仕事のやりがい」「給料」など知られていないことは多いため、転職を検討するうえで様々な疑問が出てくるようです。この記事では、ドラッグストア薬剤師の仕事や転職するメリットについて解説します。

<目次>

・ドラッグストア薬剤師の仕事内容
OTCの説明・販売
健康相談
日用品・生活雑貨の販売
商品の品出し・陳列・在庫管理、レジ打ち
ドラッグストアの営業時間と勤務時間
調剤薬局薬剤師との仕事の大きな違いは？
調剤薬局併設型ドラッグストアの仕事内容とは
・ドラッグストア薬剤師の仕事のやりがいとは
幅広い知識が身につく
売り場づくりの楽しさ
お客さんとのコミュニケーションや様々な相談を受ける
・ドラッグストア薬剤師に転職するメリット
ドラッグストアは、病院、調剤薬局に比べて給料（年収）が高い
パートの時給相場も高い
ドラッグストアは成長産業
・ドラッグストアで働くならば転職サイトが有利
・まとめ

■ドラッグストア薬剤師の仕事内容

ドラッグストア薬剤師の仕事は、医療用に準じた「要指導医薬品」や「第一類医薬品」といった服薬に注意が必要な医薬品について、来店したお客様に薬の説明や服薬指導をおこないます。しかし実際の業務は、医薬品以外の取り扱い商品の販売・管理が大きなウェイトを占めます。

ドラッグストアの店舗では、一般医薬品（以下、OTC）だけでなく、日用品や健康食品・サプリメント・化粧品など、生活に関するあらゆる商品を扱っています。そのため、「レジ打ち」「お客様対応」などをおこないますので、接客業としての仕事の要素が強くなります。また、商品の陳列、レイアウト作成などの業務も含まれるため、業務は多岐にわたります。

具体的な仕事内容を見ていきましょう。

●OTCの説明・販売

ドラッグストアには、病院に行くほどではない、病院に行く時間がない、しかし症状を改善したいというお客様が医薬品を求めて来店します。薬剤師はそのようなお客様に、症状・体質・現在の服薬歴・アレルギーの有無などを聞いたうえで、多種多様な薬の中から適切な商品を選択し販売します。

医師の処方箋が不要なOTCは「患者にとって手軽に購入できる」というメリットはありますが、薬である以上副作用の危険性はあります。そのため、薬についての専門知識を持った薬剤師が服薬指導をおこない販売することになります。

●健康相談

薬の販売を通してお客様から健康相談を受ける機会はよくあります。お客様の症状を聞いたうえで、適切な医薬品をおすすめする、症状によっては健康食品やサプリメントなどを提案することもあります。

●日用品・生活雑貨の販売

ドラッグストアでは、日用品・化粧品・生活雑貨・食品など様々な商品を扱いますが、お客様から、化粧品や生活雑貨などについての、特徴や類似商品の比較など、意見を求められることがあります。そのため店内で取り扱っている商品を販売する上で幅広い知識が必要になります。

●商品の品出し・陳列・在庫管理、レジ打ち

ドラッグストアの薬剤師は、売り場づくり、在庫管理、レジ打ちまで、店舗運営のすべての業務に関わります。「流行や売れ筋・地域性などを考慮した商品の発注」「人気商品の陳列」「POPを作成しての商品PR」などの売り場づくりによって店舗の売り上げは大きく変わります。

レジ打ちのスピードや接客対応によっては、お客様のリピートにもつながります。自分のアイデアや創意工夫が店舗の売上にも大きく影響しますので、自身の企画により目に見える成果ができたときには非常にやりがいを感じることができます。

●ドラッグストアの営業時間と勤務時間

ドラッグストアの営業時間は地域や店舗によって異なりますが、大都市圏では10時〜22時まで営業している店舗が多くみられます。このように営業時間が長い店舗では、早番・遅番の2交替制にしているところがほとんどですが、中には人手不足により通し勤務になるケースもみられます。

土日祝祭日を含め365日営業の店舗は、シフト制にしているところがほとんどですが、必ずしも土日に休めるわけではありません。多くの人が休んでいるときに仕事をするドラッグストア薬剤師は“サービス業”であることを理解しておく必要があります。

●調剤薬局薬剤師との仕事の大きな違いは？

調剤薬局の仕事との一番大きな違いは、調剤薬局は医師の処方箋に基づいた調剤（保険診療内の調剤）であるのに対し、ドラッグストアは医師の処方が必要ないOTCを扱うという点です。

ドラッグストア薬剤師は、OTCに関する幅広い知識が必要であるとともに、お客様の症状・体質・服薬歴などを確認し、「薬剤師の判断で薬を販売する」という責任が伴います。責任というと荷が重く感じるかもしれませんが、「薬剤師の専門性を活かしてお客様の健康に直接貢献できる」という点では、よりお客様に寄り添うことができる仕事といえるでしょう。

ドラッグストア薬剤師は、販売スタッフとしての営業・接客業としての要素が強い仕事であり、薬剤師の裁量・手腕が店舗の売り上げに影響する点も調剤薬局とは大きく異なります。

●調剤薬局併設型ドラッグストアの仕事内容とは

近年、保険診療の調剤業務をおこなう調剤薬局と、それ以外のOTC・日用生活品を取り扱うドラッグストア両方の機能を合わせもつ「調剤薬局併設型ドラッグストア」をよく見かけるようになりました。

このような調剤薬局併設型ドラッグストアは、近隣に商業施設が少ない地方住民だけでなく、都市部の高齢者など買物弱者にとって「薬の処方と日常生活の買物を一箇所で済ませられる」という大きなメリットがあるため需要が高まっています。

薬剤師の仕事内容はドラッグストアと調剤薬局の両方を兼ねますが、ドラッグストア単独の店舗に比べて、調剤・服薬指導・第一類医薬品の販売など「薬剤師でなければいけない業務」の優先度が高まるため、より専門性を活かした働き方が可能になります。

■ドラッグストア薬剤師の仕事のやりがいとは

ドラッグストア薬剤師の仕事は幅広いため、どのような部分が仕事のやりがいにつながるのか、分かりにくいかもしれません。具体的な仕事とやりがいをご説明します。

●幅広い知識が身につく

ドラッグストアでは、OTCをはじめ、日用品や介護用品・化粧品など、取り扱う商品は多岐に渡りますので、それらの商品を通して幅広い知識が身につきます。

OTCは処方箋が不要で気軽に購入できるからこそ、薬剤師が丁寧に服薬指導をおこなう必要があります。そのためOTCに関して幅広い知識や情報を学ぶ機会が得られます。

他にも介護用品、化粧品、その他の日用品などについて質問を受ける機会も少なくありませんので、薬以外の商品の知識が身につきます。知識欲や好奇心を満たせることが、仕事の楽しさや、やりがいにつながるという声が現役のドラッグストア薬剤師からよく聞かれます。

●売り場づくりの楽しさ

ドラッグストアの仕事のやりがいや面白さの一つに売り場づくりがあげられます。その仕事は、POPを作成したり、商品のレイアウト・陳列方法を考えて、売り場づくりをおこないます。

自分のアイデアや実践したことがそのまま売り上げにダイレクトに反映されますので「おすすめの商品がたくさん売れた」「店舗の売り上げがアップした」という成果出たときの喜びは格別です。

●お客さんとのコミュニケーションや様々な相談を受ける

近年では消費者の健康意識の高まりから商品やサービスに対して厳しくなってきています。ドラッグストアでは、お客様からOTCをはじめ健康食品やサプリメントに関する質問・健康相談を受けるケースも多くあります。

お客様とのコミュニケーションやカウンセリングは重要で、接客を通してお客様と顔なじみになることで、その人の健康状態や病状についても詳しくなります。それによって適切な医薬品を紹介することができます。お客様に近い距離でセルフメディケーションに貢献できるのは、ドラッグストア薬剤師ならではのやりがいといえるでしょう。

■ドラッグストア薬剤師に転職するメリット

薬剤師が転職を考えたときに、ドラッグストアを転職先として選ぶメリットにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

●ドラッグストアは、病院、調剤薬局に比べて給料（年収）が高い

ドラッグストアは一般的に病院、調剤薬局に比べて給料が高いと言われています。もちろん、会社、地域などによって異なりますが、転職サイトの求人を見ると一般薬剤師の給与は30～40万円、年収では450～600万円という案件が多く見られます。

店長、エリアマネージャーなどの役職手当がつくとさらにベースアップは期待できます。大手ドラッグストアの中には課長クラスになると年収は1000万円を超える会社もあります。

キャリアアップや頑張りによって給与アップが期待できるドラッグストアの仕事は、年収を上げたいと考える薬剤師にとっては魅力的な職場と言えるでしょう。

●パートの時給相場も高い

薬剤師はパートの時給相場も高い傾向にあります。地域や職場によって金額は異なるものの、ドラッグストア薬剤師の平均的な時給相場は2,000〜2,500円となっており、一般的なパート時給の2〜3倍です。家事・育児と仕事を両立させたい薬剤師、短時間勤務でしっかり稼ぎたい薬剤師はドラッグストアでパートとして働くというのも良い選択です。

●ドラッグストアは成長産業

ドラッグストア業界では、大手チェーンを中心にM&Aの流れが加速しており、新規出店件数は年々増加しています。2018年のドラッグストア総店舗数は、前年度より660店舗多い約2万店舗となり、今後さらに市場規模や店舗数は増加していくと言われています。

このような、成長産業であるドラッグストアで働くことは収入面やキャリア形成において大きなチャンスといえるでしょう。当サイトの運営母体であるマツモトキヨシホールディングスは、店舗展開に伴い積極的に薬剤師を募集していますので、ぜひご応募下さい。

■ドラッグストアで働くならば転職サイトが有利

ドラッグストアへの転職をお考えの薬剤師の方は、ぜひ転職サイトを活用されることをおすすめします。転職サイトを利用することで得られるメリットには、次のようなものがあります。

●無料で転職をサポート。希望条件に応じた転職先候補を複数ピックアップしてくれる。希望の条件に合わず、さらに転職先を探す場合にも追加料金は不要。
●転職のプロ（コンサルタント）があらゆる情報を集めており、薬局業界の内部事情にも精通。そのため、転職希望者にとって有益な情報を提供してくれる。
●給料や有休消化率・職場の雰囲気など、企業に直接確認・相談しにくいことも、転職コンサルタントが代行してくれる。
●給料などの待遇について、企業側との交渉を代行してくれる。
●転職コンサルタントとのやり取りを通して、自身のキャリアを客観的に見直すことができる。

個人で転職先を探し、企業側と直接交渉するにはかなりの時間と労力を要します。薬剤師専門の転職サイトをうまく活用し、プロの力を借りることで転職が成功する可能性が高くなります。

■まとめ

医療費削減という国の方針もあり、予防医療の必要性はさらに高まることは必至です。そのような流れのなか、お客様の健康増進に貢献するドラッグストア薬剤師の仕事は、ますます重要性を増すことでしょう。

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