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パート薬剤師のメリットって何?時給相場や働き方のコツまで解説

女性薬剤師は「家庭の事情」「子育て」などによりキャリアを中断するケースが多いですが、生活が落ち着いたタイミングで復職をする人はたくさんいます。そんなブランクがある女性薬剤師は、家庭と仕事の両立を考えて、まずはパート薬剤師としての復帰を検討される方が多いようです。

この記事では、「パートで復職したいけれど、ブランクがあるので不安…」「結婚を機に将来の妊娠・出産を考えてパートとして転職したい…」。「ライフスタイルに合わせて薬剤師の仕事を続けたい…」という女性薬剤師のために、調剤薬局とドラッグストアの仕事内容・時給相場、パートとして働くうえでの注意点などを解説します。

これから復職・転職をお考えの方はぜひ参考にしてください。

■この記事で分かること
・パート薬剤師は家庭と仕事を両立できる
・働く時間をある程度自由に選べる
・時給が高い。一般のパートに比べて時給が2,3倍以上の求人がある
・調剤薬局、ドラッグストアの仕事内容、時給相場
・働き方のコツ(社会保険、扶養控除、産休・育休)
・パートも転職サイトを利用するメリットがある

<目次>

薬剤師がパートで働くメリットとは?
家庭と仕事を両立できる
社会参加・やりがいを感じることができる
働く時間を選べる
自宅近くの職場で働ける
転勤・異動もほとんどなし
高い時給で働くことができる
パート薬剤師の仕事内容と時給相場
調剤薬局
ドラッグストア
知っておきたい!パート薬剤師の働き方のコツ
社会保険の加入
年収と扶養控除
産休・育休を取るための条件
パート薬剤師の仕事探しは転職サイトが便利
まとめ

 

■薬剤師がパートで働くメリットとは?

パートとは、パートタイマーとも呼ばれますが、その多くが企業と短時間の労働契約を結んで非正規雇用として働きます。パートは一般的に「不安定」「低賃金」とよく言われますが、薬剤師は必ずしもこれに当てはまりません。働く目的や手段によっては多くのメリットがある雇用形態です。

まず薬剤師の時給相場は高額ですので、短時間でも高収入を得ることができます。また、薬局業界は売り手市場が続いているため、受け皿となるパート求人はたくさんあります。

しかもパートならば、自分のライフスタイルに合わせて働く時間を選ぶことができるため、「子供が幼稚園に行っている時間帯だけ働きたい」「午後の空いた時間だけ働きたい」など、自分の希望する時間帯で働くことが可能です。さらには、正社員と違って転勤や異動が無いため、家庭を持つ方にとって安心して働き続けることができます。

このように、時間に融通がきき、転勤の不安もなく、そのうえ高収入を得られるパート薬剤師という働き方は、家庭を持つ女性にとってはメリットが多い働き方といえます。

 

●家庭と仕事を両立できる

家庭を持つ女性薬剤師にとっては、家事と仕事の両立は大きな課題です。育児・家事をサポートする男性は増えてきたものの、やはり女性が担うケースは多く、女性薬剤師にとって悩みが多いところです。

「子供が小さいうちは家庭を優先したい」「子育ては落ち着いたけれど、家族のことを第一に考えたい」という気持ちと、「薬剤師としてのキャリアを失いたくない」「仕事を忘れないようになるべく現役でいたい」という葛藤は、多くの方が経験するのではないでしょうか。

このように家庭と仕事の両立を考えたときに、パートであれば労働日数や時間などの希望が通りやすいため、ライフスタイルに合わせた働き方が可能になります。「保育園の送り迎えがあるので、時間に余裕を持って働きたい」「午前中の数時間働いて、午後は家事に専念したい」というように、自分や家族の都合に合わせて勤務時間を相談できるのはパート勤務の大きな魅力です。

 

●社会参加・やりがいを感じることができる

薬剤師の仕事のやりがいは、薬を通して患者や地域社会に大きく貢献できることです。かつて薬は、病院やクリニックで処方されていましたが、現在では「医薬分業」によって調剤薬局で処方されるようになりました。調剤薬局の薬剤師は、「薬の専門家」として処方ミスによるトラブルから患者を守るだけでなく、相談や服薬指導を通して、一人ひとりの患者の健康を維持する重要な役割を持ちます。

また、ドラッグストアの薬剤師は、健康相談をはじめ、症状・体質に合ったOCTの紹介など、患者に近い距離でアドバイスをする機会が多くなります。「病院に行くほどではないけれど薬の力を借りたい患者」や「忙しくて病院に行けない患者」へのセルフメディケーションに貢献できるのも、薬剤師だからこそできる仕事です。

パート短時間勤務のため患者と接する時間は限られますが、このように薬を通して「社会貢献」できるため、確かなやりがいを感じることができます。

 

●働く時間を選べる

パートの最大のメリットは、自分のライフスタイルに合わせて働く時間を選べることです。

正社員の場合には、週5日・就業時間内にフルタイムで働く必要がありますが、パートは午前中だけ・週3日だけという雇用契約が可能です。「フルタイムは無理だけれど、薬剤師の仕事は続けたい」という方にはピッタリの働き方と言えます。

例えば、「子供が幼稚園に行っている9時から14時の間だけ働く」「水曜日は子供の習い事があるので休みたい」「金曜日は家事をまとめてやるので休みたい」というように、勤務する時間帯・日数の融通がある程度きくため、仕事と家庭のバランスを取ることができます。

 

●自宅近くの職場で働ける

調剤薬局やドラッグストアは、ショッピングモールや商店街、駅前や病院の近くなど、人がたくさん集まる場所には必ず店舗があります。住まいが郊外でなければ、自宅近くの職場を見つけるのはさほど難しくないでしょう。

職場が自宅近くならば、往復の通勤に使う時間を短縮できますので、その分を家事・育児に使うことができます。徒歩や自転車通勤、職場によってはマイカー通勤も可能になりますので通勤の負担は軽減できます。さらには、子どもの保育園や幼稚園の近くにある職場を選んで働くという方法を取ることもできます。

 

●転勤・異動もほとんどなし

全国展開するドラッグストアや調剤薬局では、正社員であれば異動・転勤の可能性があります。異動により勤務地が遠くなって通勤時間が長くなるのは大きな負担です。また、転勤によって住む場所が変わることになれば「転居」「子供の転校」など、本人だけでなく家族にも影響を与えます。

その点、パートは転勤・異動がほとんど無いため、生活拠点が変わることがありませんので安心です。「自宅を購入した」「子供を転校させるのは避けたい」「親の病気や介護があるので転勤できない」というように、住みなれた地域で働くことを希望する人にとってはメリットが多い雇用形態と言えます。

 

●高い時給で働くことができる

パート薬剤師の大きな魅力に「時給相場の高さ」があげられます。パート薬剤師の時給相場は約2000円と高額です。薬剤師が不足している企業との交渉次第では、さらなる時給アップも見込めます。

薬剤師の時給は職場や地域によって差がありますが、今スグ人材が欲しい薬局の中には3000円を超えるような時給を提示する求人案件もあります。いずれにしても、一般的なパートの2~3倍の時給相場ですので、短時間で高収入を得られるのは大きなメリットです。

 

■パート薬剤師の仕事内容と時給相場

パート薬剤師の求人数が多い職場は「調剤薬局」と「ドラッグストア」です。この2つの職場は、同じ薬剤師という職種でも仕事内容や時給は若干異なり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

それぞれの職場の仕事内容・時給相場・おすすめポイントや注意点などを紹介します。

 

●調剤薬局

調剤薬局は薬剤師の代表的な就職先です。調剤薬局のパートの時給相場は2,000~2,200円の求人が多く見られます。ただし、薬剤師が不足している地域や店舗によっては、さらに高額の時給で募集している求人案件は少なくありません。人手不足の調剤薬局は多いため、ブランクがある薬剤師、経験が少ない薬剤師でも受け入れてくれる企業はあります。

調剤薬局では、主に次のような仕事をおこないます。
● 処方箋の受付
● 処方監査(アレルギー、薬歴の確認)
● 過去、現在の服薬状況の確認(お薬手帳の確認)
● 調剤
● お薬を渡すときの服薬指導、相談
病院の近くには調剤薬局は必ずありますが、その病院の診療内容によって取り扱う薬、業務内容は異なります。調剤薬局の仕事内容はある程度固定されているため、未経験でも比較的馴染みやすい職場といえます。

職場によっては「残業がない」「土日・祝日は休み」という薬局もあります。そのような職場ならば、家庭やプライベートの時間もしっかり確保できます。ただし、大病院の門前薬局の場合は処方箋が多く、当然業務が多忙になるため未経験者やブランク明けの方には若干ハードルが高くなります。

復職・転職を検討する際には、職場の規模とともに、教育体制や研修がどのようになっているかチェックするとよいでしょう。

調剤薬局の求人はこちら

 

●ドラッグストア

ドラッグストアは、多店舗展開が加速しており、薬剤師の人手不足から高時給で求人を出している店舗もあります。だいたいの時給相場は2,000~2,500円となっており、調剤薬局に比べて高時給の求人が多く見られます。

ドラッグストアでは、主に次のような仕事をおこないます。
● OTCの説明、販売
● お客さんの健康相談
● 服薬状況の確認、病院から処方されているお薬とOTCの飲み合わせの相談など
● 服薬指導
● サプリメントや生活用品の商品案内
● 商品の品出し、レジ打ち

OTCの販売では、お客さんの症状や体質に応じて適切なお薬を選択し、服薬方法や副作用・症状が改善しない場合の対応について指導をおこないます。主に地元に住む患者が来店するため、健康相談や服薬相談を通して信頼関係を築きやすいのが特徴です。「あなたがいるからこのお店に来る」というお客さんがつくことで、セルフメディケーションを支えながら、お店の売り上げに貢献できることがやりがいにつながります。

ドラッグストアは扱い品目が多く、薬以外の商品に関しての幅広い知識が求められます。商品の陳列や品出しなど、業務は多岐にわたるため、調剤薬局に比べると仕事量は多い傾向にあります。

一つのドラッグストアに薬剤師一人という忙しい職場も中にはありますので、未経験者やブランク明けの人は職場選びの際には事前に確認が必要です。

ドラッグストア薬剤師の求人はこちら

 

■知っておきたい!パート薬剤師の働き方のコツ


家庭を持つ薬剤師が、パートで働くうえで気になるものに「社会保険」「扶養」「産休・育休」があります。これらの仕組みを理解していないと損をすることがありますので要注意です。

「保険や扶養のことは難しくてよくわからない…」「パートだと育児休暇が取れるか心配…」という方のために、損をしない働き方のコツについてご説明します。

 

●社会保険の加入

2017年4月より、パートやアルバイトへの新たな社会保険適用基準が導入されました。これまでパートの場合には、週30時間以上の勤務、従業員が501人以上で週20時間以上勤務する人が対象でした。しかし、新しい適用範囲では500人以下の会社で働いている人も労使間で合意できれば社会保険に加入することができるようになりました。

【パート・アルバイトの社会保険の加入要件】
● 1週間の勤務時間が20時間以上
● 月収約8万8000円以上(年収106万円以上)
● 同じ職場に1年以上勤務(見込みも含む)
● 勤務先の従業員が501人以上
● 従業員が500人以下の会社で、社会保険加入を労使が合意している
● 学生ではない

夫の扶養内の方は第3号被保険者という該当になり「国民年金」のみの加入になりますが、ご自身が勤める会社の社会保険に加入すれば第2号被保険者になるため、国民年金とともに厚生年金にも加入することになります。つまり将来的にもらえる年金額が増えるというメリットがあります。

社会保険に加入すれば、その分の金額が給与から差し引かれるため手取り額は減りますが、将来の備えという意味で加入を検討しておく必要があります。社会保険は上記のようにパートでも要件さえ満たせば加入できます。社会保険加入を視野に入れてパートで転職する際には働き方(時間、職場、期間など)を事前に考慮しておきましょう。

また、注意したいのが「従業員が500人以下」の会社の場合ですが、ここでは“社会保険加入を労使が合意する”というのが前提になります。面接の際には「社会保険に加入したい」ということを事前に伝えておき、それに合意してくれる職場を探す必要があります。

面接のたびにそのような確認をするのが面倒ならば、薬剤師専門の転職サイトに登録しておくことで、コンサルタントが要件に合う職場や働き方をアドバイスしてくれますので便利です。

 

●年収と扶養控除

主婦でパートとして働く場合に、もう一つ知っておくべきことが「夫の扶養に入るかどうか」です。これは、妻の年収がある一定額に収まれば、夫が38万円の配偶者控除を受けることができるというものです。2018年1月より新しい基準が導入され、妻の年収上限が従来の103万円から150万円に引き上げられました。

これにより、従来は夫の扶養に入るために「103万円のカベ」を超えないよう働く時間を抑えていたという主婦の方も、収入を増やしつつ夫の配偶者控除を受けることができ、節税が可能になります。先ほどの社会保険も併せて考えたときに、「年収140万円以上」が働き損をせず夫の扶養控除も受けられる一つの目安になります。

例えば、時給2,000円で月60時間(1日5時間・週3日)働いた場合には年収は144万円になりますので、働き損になることはなく社会保険に加入することも可能です。育児や家事に支障がないようならば、働けるうちは働いておくのが得策といえます。

 

●産休・育休を取るための条件

パートで働きながら妊娠・出産を予定している方は、体調面や経済面で安心して妊娠・出産を迎えるために、産休・育休について理解しておくことが大切です。

産休とは、正式には「産前産後休業」という、出産予定日の6週前(双子の場合は14週前)から出産翌日の8週後まで取得できる休暇のことです。産後については、医師が認めた場合に限り、6週後より働くことができます。産休は雇用形態に関係なく誰でも取得することができ、申請を受けた企業はこれを拒否することはできません。

一方、育休とは「育児休業」のことで、出生した子供が満1歳になる前日まで取得できる休暇です。保育園に入園できないなど、やむを得ない理由があれば、申請をすることで2歳まで育休を延長できます。育休は産休と違い、取得するためには以下の条件を満たす必要があります。その際に正社員やパートなどの雇用形態は問われません。
● 同じ企業で1年以上働いている
● 子供が1歳を迎えたあとに復職する予定がある
● 子供が2歳の誕生日を迎える前々日までに労働契約が終了していない
つまり、1年以上同じ職場に勤務し、出産後少なくとも2年間は同じ職場で働く予定のある方は、パートであっても産休・育休の取得が可能になります。

 

■パート薬剤師の仕事探しは転職サイトが便利

パートで復職・転職を考えている薬剤師の方は、転職サイトの活用がおすすめです。転職活動は、自分1人だけで就職先を探すのは時間も手間もかかるうえに、「実際に働いてみないと、どのような職場か分からない」というデメリットがあります。

また、面接時には企業側がどうしても優位に立つことが多いため、給与や勤務条件の交渉は難しくなります。それが、転職サイトを利用することにより以下のようなメリットがあります。

● 一度希望の条件を登録しておけば、条件にあった求人情報を自動的に紹介してくれる
● 条件が合えば、非公開求人情報なども紹介してもらえる
● 費用がかからない(無料)
● 見学・面接の日程調整や、疑問点の解消、給与をはじめとした待遇面の交渉を代行してもらえる

求人を探す手間が省けるうえに、各種交渉も代行してくれるので、家事や子育てに忙しい主婦も時間を有効に使って仕事探しをすることが可能です。

 

■まとめ

薬剤師の資格は一生もので、高い専門性を活かして医療に貢献できる仕事です。高齢化が進む日本では、これからますます薬剤師の活躍の場は広がると考えられます。しかし、女性薬剤師の中には、結婚や子育てという大きなライフイベントによって、仕事を続けたくても両立が難しいため職を離れる方は多く、個人のキャリアはもちろん、社会にとっても大きな損失になっています。

そこで、本人や家族の生活を大切にしつつ、女性薬剤師が無理なく仕事を続けられる働き方である「パート」という選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。パートの求人探しでは、転職のプロに相談することにより希望に沿った仕事を見つけることができます。

薬スタは薬剤師専門転職サイトです。薬局業界に精通したコンサルタントが、あなたの復職・転職を全面的にサポートします。ぜひご活用ください。