シニア層の転職、年金と収入のバランス

60歳前後で転職を検討される薬剤師の皆様へ。

長年の経験を活かし、新たな舞台で活躍することは素晴らしい決断です。
しかし、転職にあたり気になるのが年金と収入のバランスでしょう。
今回は、年金制度の現状を踏まえながら、転職において収入を確保し、経済的な安定を実現するためのポイントをファイナンシャルプランナーに聞いてまいりましたのでお伝えしていきます。

転職は収入を得る機会ですが、60～64歳で厚生年金に加入すると「在職老齢年金制度（2026年に改正予定）」で年金が一部支給停止となる場合があります。65歳以降では支給停止の基準が緩和されます。
転職で賢く収入を得ながら、年金とのバランスを取るためには、いくつかの選択肢があります。

一つは、「多様な働き方」を検討することです。正社員としての転職だけでなく、パートタイムや契約社員、派遣社員など、自身の体力やライフスタイル、希望する収入額に合わせて最適な働き方を選ぶことが重要です。週の勤務日数や時間を調整することで、年金の支給が一部停止されるのを抑えつつ、無理なく収入を得ることも可能です。

二つ目は、「年金の繰下げ受給」を検討することです。経済的に余裕がある場合や、長く働く意欲がある場合は、年金の受給開始を遅らせることで、将来受け取る年金額を増やすことができます。
そして、「ライフプランの見直し」も重要です。転職を機に、今後の生活設計を具体的に考えることで、必要な収入額が見えてきます。それに基づいて、働き方や年金の受給時期を検討することが、無理のない経済設計に繋がります。薬剤師としての専門知識や経験を活かすことは、より良い条件での転職にも繋がるでしょう。

転職は、経済的な安定と社会との繋がりをもたらします。年金制度を理解し、ご自身の状況に合わせて最適な働き方を選ぶことが、賢い収入のバランスに繋がります。薬剤師としての経験は大きな強みです。自信を持って、新たなキャリアを築きましょう。