【薬剤師必見】コロナ禍で変わった!薬剤師の転職事情
全世界で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症「COVID-19」により、薬剤師さんの暮らしも転職事情も大きく変化しつつあります。今回は、薬剤師人材紹介業界の現況(需要/供給)を踏まえ、人材コンサルタントの目線から、現在の薬剤師さんの転職事情をお伝えしたいと思います。
現状、薬剤師人材紹介需要は低減傾向にある】
薬局に来局・来院される患者さんが減っている⇒①雇用主の経営が悪化
4月中旬、日本全国に緊急事態宣言が出され、感染防止のため「3密(密閉・密集・密接)を避けること」が推奨されました。そして、宣言解除後も、重症化しやすいといわれている高齢者や基礎疾患のある方をはじめ、人との接触を減らすよう心がけている患者さんが多いと思われます。
実際に、患者さんが病院・クリニックでの外来を控えたため、結果薬局への患者さんも減り、処方箋を受け取る回数も減り、薬剤師の技術料に当たる調剤報酬が減少しているとのこと。多くの薬局で収益が大幅に落ち込み、経営が悪化していると、5月に行われた日本薬剤師会の独自調査でも報告されています。
雇用主の経営が悪化すると⇒②現場の人員整理が始まる
ニュースでも取り上げられる「雇止め(有期労働契約者が合理的な理由なく契約更新を拒否されること)」ですが、薬局業界でもすでに起こっています。
処方箋枚数が減少している現状では、現場人員の充足感が高まります。そして、先が見えない状況であるため、雇用主である経営者は現場の人員整理をするべく、パート・派遣薬剤師の雇止めを始めたのです。
皆さんの職場でも、すでに見聞きしていることかもしれませんね。
現場の人員整理が始まると⇒③採用を控える
経営が厳しく、先が見えない現状、新規採用を見合わせ、採用員数も減らす企業が増えています。
首都圏では、この少し前から派遣薬剤師需要はやや減少傾向にありました。このコロナ禍で、さらに減少傾向に拍車がかかっているようです。実際、薬剤師の人材会社では、派遣事業の縮小・撤退や営業所の再編等の対策を取るところも出てきています。
【現状、薬剤師供給は限定的ではあるが、人材が不足しているケースもある】
コロナ禍でこれまで通りの生活スタイルが維持できないと⇒①コロナ禍で働く意欲が低下する
需要は雇用主の事情だとすると、供給は求職者の事情を考えると分かりやすいです。
例えば、パート薬剤師をされている方は、家庭との両立を第一に考えて、働いておられる方が多いです。しかし、コロナ禍でお子さんの保育園や学校が休校になるなど、家庭事情が変わってしまい、これまでどおり働くには、家庭との両立が難しくなる方もいらっしゃいます。このため、コロナ禍の現状では「家庭との両立ができないなら、今働くのは難しい」と働く意欲が低下してしまい、退職を考える方も出てきています。
働く意欲が低下すると⇒②収入よりもコロナ罹患リスクの心配が募る
薬剤師という仕事柄、不特定多数の患者さんとの接触は避けられません。特に小さい子供を持つ薬剤師さんは大きな不安を抱えています。そのため、今働いて収入を得る事よりもコロナに罹る心配の方が募ります。実際に、このご時世の中、求職者側からの辞退や入社延期の相談があります。
結論として、現在薬剤師求人需要は低減しており、転職を望めば即希望に合う職場が見つかるという状況とはいえません。また、派遣については以前より厳しい状況にあるといえます。
なお限定的ではありますが、例えばお子さんのいる薬剤師さんが多い職場は人手不足になっているケースもあります。このように、コロナ禍による影響は大きく、その終息が見えない今、転職活動は慎重に行う必要があるかと存じます。
【Withコロナ/Afterコロナで変わる薬剤師転職活動】
コロナ禍は薬剤師の転職活動にも大きな変化をもたらし始めています。それは、転職活動のIT化(オンライン化)です。現状、コロナ感染防止のために、採用活動の一環としてオンライン会社説明会・ウェブ面接を導入する企業が増えています。
また、コロナ禍終息後でも、企業側・求職者側双方にとって利便性が高いため、おそらく転職活動におけるIT化導入は進むことでしょう。このため、薬剤師さんの皆さんも、転職活動時、ビデオ通話が問題なく使えるくらいに、ITリテラシーを高めておく必要があります。
今後も第二波・第三波といった余波が心配されており、まだまだコロナ禍の終息には程遠いといえます。
それでも、薬剤師の皆さんがもっと楽しく働ける、もっと希望を叶えられる職場を求め続けることは変わらないでしょう。
私どもも、薬剤師さんの転職を変わらずサポートし続けてまいります。
これからについて、どうぞご相談いただければと存じます。